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Beschreibung
「銀の匙」
中勘助(なか かんすけ、1885(明治18)年〜1965(昭和40)年)の書いた自伝的小説です。
尾張藩の家臣の家柄で、虚弱に生まれた著者が、伯母の愛情に包まれて成長し、多感な少年時代を送った思い出が美しく綴られます。
初出は、大正2(1913)年の「銀の匙」と、大正4(1915)年の「つむじまがり」の、2つの新聞連載小説でした。
夏目漱石が絶賛し、著者のデビュー作となりました。
その後、著者自身、何度も修正を行い、今の版に至ります。
作品は青空文庫の新字新仮名のものを集め、見出し等を調整しました。
収録したファイルはすべて、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
心から感謝します。
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ある晩私たちは肱かけ窓のところに並んで百日紅の葉ごしにさす月の光をあびながら歌をうたつてゐた。そのときなにげなく窓から垂れてる自分の腕をみたところ我ながら見とれるほど美しく、透きとほるやうに蒼白くみえた。それはお月様のほんの一時のいたづらだつたが、もしこれがほんとならば と頼もしいやうな気がして
「こら、こんなに綺麗にみえる」
といつてお蕙ちやんのまへへ腕をだした。
「まあ」
さういひながら恋人は袖をまくつて
「あたしだつて」
といつて見せた。しなやかな腕が蝋石みたいにみえる。二人はそれを不思議がつて二の腕から脛、脛から胸と、ひやひやする夜気に肌をさらしながら時のたつのも忘れて驚嘆をつづけた。
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*目次*
├前篇
│├一
│├二
│├三
│├四
│├五
│├六
│├七
│├八
│├九
│├十
│├十一
│├十二
│├十三
│├十四
│├十五
│├十六
│├十七
│├十八
│├十九
│├二十
│├二十一
│├二十二
│├二十三
│├二十四
│├二十五
│├二十六
│├二十七
│├二十八
│├二十九
│├三十
│├三十一
│├三十二
│├三十三
│├三十四
│├三十五
│├三十六
│├三十七
│├三十八
│├三十九
│├四十
│├四十一
│├四十二
│├四十三
│├四十四
│├四十五
│├四十六
│├四十七
│├四十八
│├四十九
│├五十
│├五十一
│├五十二
│└五十三
├後篇
│├一
│├二
│├三
│├四
│├五
│├六
│├七
│├八
│├九
│├十
│├十一
│├十二
│├十三
│├十四
│├十五
│├十六
│├十七
│├十八
│├十九
│├二十
│├二十一
│└二十二
└底本などに関する情報
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